産院選び 和痛分娩という選択

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産院選びの基準と経緯

妊娠がわかったら、まずはどこで産むかを決めなければならない。出来れば妊娠前からしっかりと下調べをして産院を決めておいた方がいいと思う。

なぜなら妊娠中にあちこち通いながら決める時間的余裕はないことが多いからだ。

人気の産院は妊娠初期のうちに枠が埋まってしまっていることもある。

個人病院、総合病院、助産院、はたまた自宅出産と、選択肢はあり、それぞれのメリットデメリットをよく比較検討すべきだった。

独身時代から友人知人に繰り返しお産の壮絶な痛みについて聞かされてきた私の場合、とにかく痛いのは無理!無痛分娩一択だった。

妊娠発覚後はかかりつけの総合病院の婦人科で最初の診察を受けた。施設は綺麗だし医師にも不満はなかったが、希望していた無痛分娩は取り扱っていなかったので、見送ることにした。

そこから無痛分娩の施設を探したのだが、日本ではとにかく少ない。予定日より早く陣痛が来て麻酔が受けられず、心の準備もないまま普通分娩という話も聞くので、とにかく24時間無痛可能の麻酔医が2名以上いるところと思って探したが、存外少ない。

何とか通える範囲で見つけたので行ってみたが、結果として候補から外すことにした。

理由は2つ。

1つ目は待合室の観葉植物が枯れていたから。

そんな事と思われるかもしれないが、植物に神経が行き届いていない病院が、患者にも細やかに対応してくれるか疑問だった。後から考えればトイレもあまり清潔感がなく、受付の応対と電話応対にも一貫性がなかったりもしてあまりいいイメージを持てなかった。

2つ目は看護師が横柄だったから。

待合室で待っていると、〇〇さん!と名前が呼ばれた。私の名字ではあったが、よくある名字でもあったし下の名前が違ったので1度目は聞き流した。しかし誰も反応せず、再び看護師が同じ名前を大声で呼んだ。私はまさかなと思いつつもすみません、〇〇ですが、下の名前は〇〇ですが、私の事でしょうかと尋ねた。するとその看護師は怒って〇〇さん!何度も呼んでますけど、早くして下さい!と言ってきた。でも、名前は〇〇なんですけど、というとああそうですか、すいません、早く入ってくださいとイライラした様子で促してきた。このやりとりでここはないなと決定付けられた。ちなみにこの看護師は金髪に染めていて、別にそれが悪いとは思わないけど、何となく肌に合わない雰囲気だったので以来通うのはやめた。

それで硬膜外麻酔の無痛を扱っている病院はなかなか見つからなかったので和痛分娩を取り扱っている産院を結果として選んだ。

理由は、上記とは逆に花壇も受付の切り花もいつも美しく保たれていたから。

お陰様で通院中も嫌な思いをすることなく、何より無事に元気な子を産めたのでそれだけで感謝しなければいけないと思っている。

 

和痛分娩は痛くないのか

私が選んだ和痛分娩とは、陣痛がきたらお尻の筋肉に痛み止めの注射を打ち痛みを軽減するというもの。これは実際麻酔医ではなく看護師さん、助産師さんが1時間おきくらいに打ってくれた。そのためかこの産院では産婦全員に麻酔を施しているそうだ。痛み軽減と、麻酔によるリラックス(というかやや意識朦朧)でお産が進みやすく、結果安産に繋がりやすくなるというメリットがあると説明された。

実際私のお産も初産にも関わらず記録上約5時間で、朝から始まり昼過ぎには終了してあっという間感が強かった。

肝心の痛みはどうかというと、私の場合は色々あり最初から陣痛促進剤を使っての計画分娩となったが、促進剤を倍量投与された終盤1時間弱は結構痛かった。とはいえ事前に聞いていた夫に当たり散らしたり助産師さんに悪態つくレベルではなく、歯を食いしばって自分で腰をさすって痛みを逃せるレベル。陣痛と陣痛の間は麻酔のせいかうとうとして、痛みの波の時に起きて自分で腰をさすったりしているうちに中盤までは辛いことはなくあっという間だった。

たださすがに分娩台に上がってからはあまりの痛みに顔を歪めて痛い痛い痛いとうめいた。そして助産師さんに、声を出さない!と一喝されてしまったが、私にしてみれば声を出すことで痛みの発散といきむための力を出してるのだからそのくらい大目に見てほしかった。もしかしたら他の人はその程度の声すら出さないのかもしれない。何故そんな痛かったのかというと、分娩室に入って5分で産まれ、最後の麻酔が効く暇もなかったからだと思う。最後は二の腕に注射されたが、ほぼそれと同時に出てきた。それと予想外だったのは、完全に油断し切って赤ちゃんとの対面中に2回目の激痛がきたこと。再び痛い痛いとうめいたら、助産師さん、笑顔で胎盤出ましたよ〜と。胎盤出る時も痛いなんて知らなかったので面食らった。

まとめると、和痛分娩は陣痛の時間大幅削減、痛みも軽減、産む時はそれなりに痛い。でも短時間なので耐えられるレベル。

余談だが、先程ちらりと触れた計画分娩に関して、誕生のタイミングは胎児に任せたかったので非常に不本意であった上に、この前処置のラミナリアやらバルーンやら内診やら何やらが激痛過ぎて軽くトラウマレベルだった。

診察の椅子の上で小刻みに震えながら耐え、しかもそれをお産前日16時、21時、当日7時と3回も経験しなければならず、私にとってはお産そのものよりも前処置の方が辛かった。