特別な日の白ワイン KENZO ESTATEのasatsuyu

KENZO ESTATEのasatsuyu

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初めて飲んだのは、たしか夫の両親や兄弟一家とエクシブで食事した時だったと思う。中華のレストランで供された。その時は料理との相性というよりもワイン単体の完成度の高さに唸った。

特に夫が気に入って、彼にしては珍しくワイン名を覚えた。その後京都旅行の際に夫婦で祇園のKENZO ESTATEのバーに行き、asatsuyu以外にも色々グラスで楽しんだのだが、彼の一番のお気に入りはやはりasatsuyuのようだ。

少し前のことだが、12月24日に夫からクリスマスプレゼントが届いた。

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中身はasatsuyuのハーフボトル2本だった。

夫よ、それは私宛というよりは自分へのご褒美なのでは・・・と感じたが、まあ美味しいことに違いはないので構わない。

KENZO ESTATEは今ではナパで最も有名なワイナリーの一つに数えられるが、基本的に販売は国内の旗艦店や公式のネットショップが中心で、コストコでも売られているようなオーパス・ワンやケイマスと比べると、レア感がある。

私は初めてKENZO ESTATEの名前を聞いたとき、アパレルのケンゾーを連想したのだが、そうではなく創業者はカプコンの会長だ。全然ワインに関係ない産業だと思うかもしれないが、世界でも各界で成功を収めた著名人は自分の名を冠したワイナリーを所有したがる傾向がある。馬主になるのと同じような心境なのだろうか。

ぱっと思いつくだけでも、フランシス・コッポラとか、X JAPANのYOSHIKIもそうだ。

潤沢な資金がある彼らだからこそ成せる所業だが、自らの名前を冠した自らで監修したワインなんて、考えただけでわくわくする。

以前、近所のお宅で結婚祝いのパーティーがあったのだが、とあるゲストがasatsuyuのマグナムボトルを新郎新婦に贈ったらしい。居合わせた父が、ワインを知らなかったがあまりの美味しさに写真を撮ってきて後で私に見せたので知ったのだ。結婚祝いのホームパーティーにasatsuyuのマグナムを持参するなんて、どんな方なのだろうと気になった。センスが素晴らしいとしか言いようがない。まだ暑い時分のガーデンパーティーだったので、泡や白が良いと思うが、結婚祝い=ブランドブランのシャンパンとか、紅白ワインで贈るとか、新郎新婦の記念のヴィンテージにするとかは思いつくけれど、ガーデンパーティーで晴れの日を祝うには、asatsuyuほど趣向のあるワインはないのではないか。

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さて、昨日は冷凍しておいた牡蠣にレモンを絞ったものを合わせてみたが、無難に合った。どうせなら新鮮な季節の刺身をカルパッチョにして、フレッシュハーブや柑橘系のフルーツを何種類か組み合わせてみれば、より良かったかもしれない。

複雑なハーブの香りと、パイナップルの香りが印象的で、透明感のある味わいは、まさに朝露のようだった。

ソーヴィニヨン・ブランはともするとシャルドネよりもやや低く見られがちだが、このワインは間違いなく逸品である。