誕生日のバーベキュー~ボルドー不作年の1stワインと良年の2ndワイン

端午の節句としょうへい

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今年のゴールデンウイークは後半天気が不安定だったこともあり、ほとんど自宅から出なかった。この時期の湘南は、例年バーベキューや海岸での様々なイベントに来る県内外からの観光客でにぎわうが、今年はさすがに穏やかだった。

端午の節句はまさかの実家に兜が飾られていた。弟のためではなくしょうへいのためのようだ。

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さて、毎年ゴールデンウィークの頭にある4月30日は実母と義父の誕生日である。偶然にも同じ誕生日なのだ。更に、保護猫で誕生日不明のしょうへいも、大体4月末から5月の初めの生まれと推定されたことから、毎年一緒に4月30日にお祝いすることにしている。

昨年は義父の古希のお祝いに夫の兄弟家族が皆集まったのだが、今年はこちらからは三崎のマグロを送った。滋賀の両親は海の幸をとても喜んでくれたようだった。

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実家のバーベキュー

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私の実家では毎年家族の誕生日には自宅でワインを開けてお祝いする風習がある。

特に母の誕生日は良い季節なので庭でバーベキューをすることが多い。

バーベキューと言っても、うちのバーベキューは各々がカルビ肉を焼いて焼き肉のたれにつけて食べるコリアンスタイルのバーベキューではない。

バーベキューは基本的に火起こしから父の仕事で、Weberのグリルコンロの前に立って固まり肉を焼いて切り分けたり、果ては締めのパエリヤまで休まず調理し続けている。

その間基本的に娘の私やゲストは座ってワインに舌鼓を打ちながら次々に焼ける肉や、あらかじめ用意されている冷菜を平らげるのみである。

だから私は実家のバーベキューが大好きであるし、招いたことのある私の友人達からも大変評判が良い。

さすがに今年はゲストは呼べなかったが、両親と近所に住む娘夫婦の我々だけで両親宅のウッドデッキでひっそりとバーベキューをした。

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私からの誕生日プレゼントとして、魚屋でイサキを1尾買っておいたので、簡単な魚料理をつくった。

予め鱗とおなかを取ってもらったイサキの中にレモンの薄切り、玉ねぎ、ハーブ類をつめて、背中にも3本切り込みを入れてレモンをはさみ、全体に塩胡椒し、白ワインをまぶし、バターを散らしてアルミホイルに包んでグリルで蒸し焼きにする。

ちなみに上記のレシピは、イギリス人の料理家ナイジェル・スレーターが以前スズキで作っていたのをうろ覚えでアレンジしたものである。

店頭でイサキを見たときに、何となく見た目がスズキに似ている感じがして聞いてみたところ、イサキもスズキ目なのだそうだ。ただし、スズキよりもずっと脂がのっているとのこと。

今回使ったハーブは実家で育てられているイタリアンパセリとタラゴン。タラゴンはオムレツに入れても美味しいそうだが、魚にもとてもよく合った。他にもディル、タイム、フェンネルも良さそうだ。

合わせたワイン

天地人ムルソー 2008

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これぞムルソーといった飲みごたえのあるしっかりとしたボディで、12年の熟成を経てもまだまだ若々しかった。

イサキは美味しかったけれども肝心のワインとは相性がいまいちだった。

バーベキューでムルソーなど樽香の効いた複雑なシャルドネを飲むなら、パセリのみじん切りを入れたガーリックバターでさざえやアワビを焼くのが良いだろう。エスカルゴバターのように。

逆に今回のイサキにはヴィーニョベルデとか、フェウド・アランチョのグリッロなどもっとカジュアルで爽快なワインを合わせたい。

オー・ド・ポンテ・カネ 2009

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シャトー・ポンテ・カネの2ndワイン。

カシスや杉の木、ブラックベリーなどの香りが立ち込め、シルキーなタンニンが心地よく余韻も長く素晴らしい状態だった。

このワインは2013年にシャトーヴィジットした際に直接ポンテ・カネで購入し、航空機で持ち帰ったものだから限りなくベストな状態に近い。

同じように現地で購入した2007年の1stラベルを昨年開けたのだが、今回の2ndの方がずっと美味しく感じられた。

開けた時期にずれがあるので厳密な結果ではないが、今回に限って言えば不作年の1stと良年の2ndでは、後者の方がより美味しいという結果になった。

もちろん合わせたのは和牛のステーキだ。サーロインとフィレを食べ比べたが、フィレの柔らかさにワインのテクスチャーがとてもよく合った。

 

食後のプチ・ケーキは葉山のサン・ルイ島のもの。4人だと3つずつ選べるのでとても楽しい。

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今回はステーキ肉もケーキもワインも取り寄せたチーズ熟成士のチーズも、誕生日の母自ら用意していた。

同様に、滋賀の母も自身の誕生日をこちらで祝うために数か月も前から高価なワインを3本も送付し準備に余念がなかった。

私の身近なところでは女性の方が下調べや段取り力に優れ、行動力もあるようだ。そしてそれは家族と楽しい時間を過ごすためだったりする。