小林カツ代さんレシピのローストビーフを赤ワインに合わせる

昨日2月2日は父の誕生日だった。同時に、両親の結婚記念日でもある。35年前の今日、東京會舘で結婚式を挙げて、翌日からハネムーンでハワイへ飛んだのだそうだ。

私の家では何となく父の日や母の日は流されがちなのだが、家族の誕生日には集まって自宅で食事することが多い。今回も日曜日だったこともあり、夫と私で両親を食事に招いた。

冷凍しておいた近江牛の塊でローストビーフを作った。

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常温に戻した肉を熱したフライパンで全ての面をジュッと音をさせながら手際良く焼く。

このあとの火の入れ方はレシピによってまちまちなのだが、今回は最も簡単そうな、小林カツ代さんのレシピをアレンジして作ってみた。調味料を入れた鍋で蒸し煮してから、蓋をしたまま放置して冷ますというやり方なのだが、500gの肉の塊に対して酒、みりんを1/2カップずつ、醤油を大さじ3杯、小ぶりのル・クルーゼ鍋に入れて肉と共に10分沸かした。途中鍋の中から炎がメラメラとあがって動揺した。どうやらフランベ状態になってしまったらしい。次回からは先に調味料を熱して、アルコールを飛ばしてから肉を投入しよう。こんな簡単なレシピなのに出来上がりはしっかりローズ色で、しっとりとした素晴らしいローストビーフが出来上がった。なお、火を止めてからシャンパンを飲みながら他のものを食べていたので、1時間程放置したことになる。

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夫の両親からのお中元やお歳暮、夫の誕生日などには何かとこの近江牛を送って貰える。最初の頃はステーキ用カットも多かったが、最近はランプ肉の塊を積極的にリクエストしている。程よくさしも入った赤身で、胃もたれせず美味しく頂けるのだ。

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誕生日用の赤ワインは両親が持参したカイアロッサ2013年だ。ボルドーのシャトージスクールのオーナーがトスカーナで手掛けたワイン。なんだか聞いたことのあるようなフレーズだ。一番有名なのはシャトームートンのオーナーがチリで手掛けたワイン、だろうか。このカイアロッサはスーパータスカンの部類に入るのだろうが、7種もの品種をブレンドしていて、ビオディナミ農法が取り入れられているとのこと。最初の印象は、エレガントなボルドーワイン。杉の香りや黒系果実が立ち上る。飲み口は非常に滑らかで、タンニンが引っかかることはない。鼻を抜ける余韻にシナモンなどのスパイスやイチジクなどのドライフルーツの要素が感じられる。ただジスクールなどの本家ボルドーよりも陽気な性質を持っていて、その辺りがサンジョベーゼなどのイタリア品種やイタリアの風土の為せるものなのか。我々4人の会話も明らかに弾みだし、普段以上に賑やかな食卓となった。

ここでまたローストビーフの話題に戻るが、通常ワインに合わせる時は、下味として肉全体に塩胡椒し、ニンニクの断面を擦り付ける。表面を焼き固めて、あとは炊飯器なりオーブンなりで低音調理し、最後に肉を焼いたフライパンでワインビネガーや醤油などを使ってソースにする。

今回は和の味付けで酒、醤油、みりんを使ったのだが、よりワインに寄り添わせるために、調味液の中にシナモンスティックや八角を入れて蒸し煮しても良いかもしれない。鶏肉や豚の塊で試しても良いし、組み合わせ次第でいかようにもアレンジ出来、最初の肉を焼く時以外、油はねもしないこの作り方がとても気に入った。