女性向けのおしゃれな自転車を探して

思えば自転車を自分で選んだのは中学の入学祝いに祖母にビアンキを買ってもらって以来だ。当時から海のすぐ近くに住んでいたため、自転車=すぐ錆びるという認識だ。格好良かったビアンキもすぐにボロボロになった。そしてその後は親のお下がりだったりを乗っていて、東京に一人暮らしの時からしばらくは自転車に乗っていなかった。また故郷に戻って来て、やはりこの街は自転車が必須なのでしばらく親のお下がりを使っていたが、最近はどうにも錆だらけでブレーキなど他の部分にもガタがきていた。

それで、自転車を買いかえることに決まったのだが、自転車屋に行っても意外と種類を置いていないのだ。それは当たり前と言えば当たり前で、自転車はそれなりに場所を取るから、ただでさえ数は置けないし、自転車と一口に言っても子供用自転車からシティサイクル、電動アシスト自転車、ミニベロ、クロスバイク、MTB、ロードバイクなどなど色々あるのだ。

そこで私はまず、今乗っている自転車のどこが不満かを考え、どのような自転車が欲しいのかを整理した。不満点は言わずもがな錆びだ。また、用途としては街乗りで、日常の買い物から軽いサイクリングまでだが、お気に入りの店に行くために意外と一山越えたりもするので漕ぎ出しが軽いことは大事だと思った。買い物をするのでカゴは必須だ。だから錆に強い軽めのシティサイクルで、価格は5万円くらいまでだとイメージした。

その程度のことを店員さんに伝えると、カタログを見ながら色々と説明してくれた。素人目にはよく分からないが、1点1点パーツがここはステンレス、ここはアルミ、ここはスチールだから錆びやすいなどと教えてくれて、錆びにくさと価格のバランスを考えたシティサイクルを何台か提案してくれた。私はそのままカタログを頂いて、分からない用語をネットで調べたりしてみた。シティサイクル(いわゆるママチャリ)もいくつかのタイプがあるのだが、チェーンかベルトかは大きな違いのようだ。チェーンはお馴染みだが、やはり露出している分錆びの問題はついてくる。ベルトタイプは錆びの心配はほぼないが、漕ぎ出しが心もとないのと、スピードが出にくそうで車体が重そうだったので見送ることにした。チェーンに決めたら、後はギアの有無と、ギアが内装か外装だ。正直ギアは無くても良いかなと思ったのだが、結局外装ギア7段付きのものを買ったのだが、結果として良かったと思っている。

さて、重要な部分にステンレスをバランス良く使った価格的にもまずまずの自転車を選定し、夫に伝えたが、なんと夫からは「こんなのでいいの?」と返ってきた。要するにもっとデザインの優れたものを選んだらどうかということらしい。なるほど、確かに子どもの頃ビアンキに乗った時は高揚感があった。だがそんなお洒落な自転車は盗難のリスクもあるし、また海の近くの我が家の敷地に野ざらしにしておいて錆びさせるのは嫌だから、室内保管になる。色々と大変そうだ。とはいえかつて乗ったビアンキを思い出し、色々扱いが面倒でもおしゃれを優先したい気持ちに心は傾いていった。

私の知っているおしゃれな自転車のブランドと言えば、ビアンキしかなかったのでまずはビアンキで検索してみる。

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とても優美な自転車だ。これが欲しい。だが気になるのはホームページやブログによって価格がまちまちで、どうやら年を追うごとに上昇傾向にあることだ。

次の日早速自転車屋に戻りビアンキのプリマベーラレディが欲しいと伝えてみたが、どうやらメーカーは在庫切れで、このモデルは日本撤退らしい。他店やビアンキショップで地道に探すしかないとのこと話だった。だがこの自転車屋の店員さんはホスピタリティに溢れていて、私が祖母にビアンキを買って貰った思い出に共感してくれた。こちらの言わんとすることをよく汲み取った上で自転車のプロとしてのアドバイスを丁寧にしてくれる店員さんなのだ。

その上で店内にある他のブランドの自転車も見せてくれた。

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ラレーというイギリスの自転車だが、製品自体は日本で作られている。これはこれでクラシックですごく素敵だ。だが、跨ってみると、若干小さく感じられ、前につんのめる感じがした。身長は165センチまでとなっていて、私の身長が165.5センチだからかもしれない。この自転車も現行モデルとは色が違うので、このシックな赤に出会ったのもご縁かもしれないと感じたのだが、ここから私の自転車選びは紆余曲折し、結局私は他店で別の自転車を買うことになるのだ。