女性向けのおしゃれな自転車を探して
思えば自転車を自分で選んだのは中学の入学祝いに祖母にビアンキを買ってもらって以来だ。当時から海のすぐ近くに住んでいたため、自転車=すぐ錆びるという認識だ。格好良かったビアンキもすぐにボロボロになった。そしてその後は親のお下がりだったりを乗っていて、東京に一人暮らしの時からしばらくは自転車に乗っていなかった。また故郷に戻って来て、やはりこの街は自転車が必須なのでしばらく親のお下がりを使っていたが、最近はどうにも錆だらけでブレーキなど他の部分にもガタがきていた。
それで、自転車を買いかえることに決まったのだが、自転車屋に行っても意外と種類を置いていないのだ。それは当たり前と言えば当たり前で、自転車はそれなりに場所を取るから、ただでさえ数は置けないし、自転車と一口に言っても子供用自転車からシティサイクル、電動アシスト自転車、ミニベロ、クロスバイク、MTB、ロードバイクなどなど色々あるのだ。
そこで私はまず、今乗っている自転車のどこが不満かを考え、どのような自転車が欲しいのかを整理した。不満点は言わずもがな錆びだ。また、用途としては街乗りで、日常の買い物から軽いサイクリングまでだが、お気に入りの店に行くために意外と一山越えたりもするので漕ぎ出しが軽いことは大事だと思った。買い物をするのでカゴは必須だ。だから錆に強い軽めのシティサイクルで、価格は5万円くらいまでだとイメージした。
その程度のことを店員さんに伝えると、カタログを見ながら色々と説明してくれた。素人目にはよく分からないが、1点1点パーツがここはステンレス、ここはアルミ、ここはスチールだから錆びやすいなどと教えてくれて、錆びにくさと価格のバランスを考えたシティサイクルを何台か提案してくれた。私はそのままカタログを頂いて、分からない用語をネットで調べたりしてみた。シティサイクル(いわゆるママチャリ)もいくつかのタイプがあるのだが、チェーンかベルトかは大きな違いのようだ。チェーンはお馴染みだが、やはり露出している分錆びの問題はついてくる。ベルトタイプは錆びの心配はほぼないが、漕ぎ出しが心もとないのと、スピードが出にくそうで車体が重そうだったので見送ることにした。チェーンに決めたら、後はギアの有無と、ギアが内装か外装だ。正直ギアは無くても良いかなと思ったのだが、結局外装ギア7段付きのものを買ったのだが、結果として良かったと思っている。
さて、重要な部分にステンレスをバランス良く使った価格的にもまずまずの自転車を選定し、夫に伝えたが、なんと夫からは「こんなのでいいの?」と返ってきた。要するにもっとデザインの優れたものを選んだらどうかということらしい。なるほど、確かに子どもの頃ビアンキに乗った時は高揚感があった。だがそんなお洒落な自転車は盗難のリスクもあるし、また海の近くの我が家の敷地に野ざらしにしておいて錆びさせるのは嫌だから、室内保管になる。色々と大変そうだ。とはいえかつて乗ったビアンキを思い出し、色々扱いが面倒でもおしゃれを優先したい気持ちに心は傾いていった。
私の知っているおしゃれな自転車のブランドと言えば、ビアンキしかなかったのでまずはビアンキで検索してみる。
とても優美な自転車だ。これが欲しい。だが気になるのはホームページやブログによって価格がまちまちで、どうやら年を追うごとに上昇傾向にあることだ。
次の日早速自転車屋に戻りビアンキのプリマベーラレディが欲しいと伝えてみたが、どうやらメーカーは在庫切れで、このモデルは日本撤退らしい。他店やビアンキショップで地道に探すしかないとのこと話だった。だがこの自転車屋の店員さんはホスピタリティに溢れていて、私が祖母にビアンキを買って貰った思い出に共感してくれた。こちらの言わんとすることをよく汲み取った上で自転車のプロとしてのアドバイスを丁寧にしてくれる店員さんなのだ。
その上で店内にある他のブランドの自転車も見せてくれた。
ラレーというイギリスの自転車だが、製品自体は日本で作られている。これはこれでクラシックですごく素敵だ。だが、跨ってみると、若干小さく感じられ、前につんのめる感じがした。身長は165センチまでとなっていて、私の身長が165.5センチだからかもしれない。この自転車も現行モデルとは色が違うので、このシックな赤に出会ったのもご縁かもしれないと感じたのだが、ここから私の自転車選びは紆余曲折し、結局私は他店で別の自転車を買うことになるのだ。
小林カツ代さんレシピのローストビーフを赤ワインに合わせる
昨日2月2日は父の誕生日だった。同時に、両親の結婚記念日でもある。35年前の今日、東京會舘で結婚式を挙げて、翌日からハネムーンでハワイへ飛んだのだそうだ。
私の家では何となく父の日や母の日は流されがちなのだが、家族の誕生日には集まって自宅で食事することが多い。今回も日曜日だったこともあり、夫と私で両親を食事に招いた。
冷凍しておいた近江牛の塊でローストビーフを作った。
常温に戻した肉を熱したフライパンで全ての面をジュッと音をさせながら手際良く焼く。
このあとの火の入れ方はレシピによってまちまちなのだが、今回は最も簡単そうな、小林カツ代さんのレシピをアレンジして作ってみた。調味料を入れた鍋で蒸し煮してから、蓋をしたまま放置して冷ますというやり方なのだが、500gの肉の塊に対して酒、みりんを1/2カップずつ、醤油を大さじ3杯、小ぶりのル・クルーゼ鍋に入れて肉と共に10分沸かした。途中鍋の中から炎がメラメラとあがって動揺した。どうやらフランベ状態になってしまったらしい。次回からは先に調味料を熱して、アルコールを飛ばしてから肉を投入しよう。こんな簡単なレシピなのに出来上がりはしっかりローズ色で、しっとりとした素晴らしいローストビーフが出来上がった。なお、火を止めてからシャンパンを飲みながら他のものを食べていたので、1時間程放置したことになる。
夫の両親からのお中元やお歳暮、夫の誕生日などには何かとこの近江牛を送って貰える。最初の頃はステーキ用カットも多かったが、最近はランプ肉の塊を積極的にリクエストしている。程よくさしも入った赤身で、胃もたれせず美味しく頂けるのだ。
誕生日用の赤ワインは両親が持参したカイアロッサ2013年だ。ボルドーのシャトージスクールのオーナーがトスカーナで手掛けたワイン。なんだか聞いたことのあるようなフレーズだ。一番有名なのはシャトームートンのオーナーがチリで手掛けたワイン、だろうか。このカイアロッサはスーパータスカンの部類に入るのだろうが、7種もの品種をブレンドしていて、ビオディナミ農法が取り入れられているとのこと。最初の印象は、エレガントなボルドーワイン。杉の香りや黒系果実が立ち上る。飲み口は非常に滑らかで、タンニンが引っかかることはない。鼻を抜ける余韻にシナモンなどのスパイスやイチジクなどのドライフルーツの要素が感じられる。ただジスクールなどの本家ボルドーよりも陽気な性質を持っていて、その辺りがサンジョベーゼなどのイタリア品種やイタリアの風土の為せるものなのか。我々4人の会話も明らかに弾みだし、普段以上に賑やかな食卓となった。
ここでまたローストビーフの話題に戻るが、通常ワインに合わせる時は、下味として肉全体に塩胡椒し、ニンニクの断面を擦り付ける。表面を焼き固めて、あとは炊飯器なりオーブンなりで低音調理し、最後に肉を焼いたフライパンでワインビネガーや醤油などを使ってソースにする。
今回は和の味付けで酒、醤油、みりんを使ったのだが、よりワインに寄り添わせるために、調味液の中にシナモンスティックや八角を入れて蒸し煮しても良いかもしれない。鶏肉や豚の塊で試しても良いし、組み合わせ次第でいかようにもアレンジ出来、最初の肉を焼く時以外、油はねもしないこの作り方がとても気に入った。
【葉山でのオーガニックな朝の過ごし方】森山神社土曜朝市
毎週土曜日には葉山町にある森山神社で、朝市がある。9時半からお昼くらいまで。雨の日はお休みだ。過去何度か行った時はたまたまなのか3〜4店くらいで閑散としていたのだが、昨日2/1は午後3時までの終日市となったからか、店舗もお客も大賑わいだった。ちなみに森山神社は森戸神社と間違えそうになったが、全く別の神社である。
パリに旅行や仕事で行っていた時は、基本的に日曜日はデパートを始めどこのお店も休みになるのだが、その代わりに町中でマルシェがあって、旅行者の私はビオ野菜などは買えなかったのだが、搾りたてのオレンジジュースやチーズやバケットなどを買って楽しんでいた。
神社でそのような朝市を開くのは、日本らしくてとてもいいなと思っている。車の心配などもないので、境内では子ども達が伸び伸びと遊び回っていた。
出店している顔ぶれは、オーガニック野菜、体に良さそうな屋台、お菓子、素材に拘った衣服、アクセサリー、手拭い、パン、雑貨など多岐に渡る。
昨日はその中からいさむファームとYAVAS農園から野菜を買い、いくつか気になった屋台から軽食を買い、境内に設置された椅子とテーブルで食べてみた。
ゴイチョーイというベトナム料理のお店のココナッツの蒸しご飯で、ハムやナッツ、うずらの卵などが炊き込まれている。トッピングに野菜やパクチー、煎餅のようなものを貰い、ザクザク混ぜて食べる。これがエキゾチックな味付けで想像以上に美味しい。ちなみに注文してから蒸し器に入れてくれたので、蒸し立てを頂ける。あまりに気に入ったので、普段はどこかでお店をされているのかと尋ねたが、あいにく常設店はないとのこと。また朝市に来て食べたい味だ。
続いて、こちらのトマトと鶏肉のカレーも絶品。スパイスが色々使われていて、さっぱりしているのにコクがある。付け合わせもスパイスが効いていて元気が湧いてくる味だった。メシカシーというお店だが、こちらのカレーもまた食べたい本格派だ。
飲み物にはベジ肉まんとフライドポテトのlopas mainsでオーガニックコーラと、ウズベキスタン料理のlandadaでハーブティーを。コーラが苦手な私にも美味しく飲めた。炭酸がきつくなくて優しい味わいだった。ハーブティーは普段飲むカモミールやミントなどとは違う、どことなく土の香りのするハーブティーだったが、食事に合うし体が温まった。
デザートにはThe Five Beansでどら焼きを買って帰った。御用邸前のコーヒー屋さんだが、朝市の時には和菓子も出すらしい。350円と高価などら焼きだったが、餅が入っていて美味しかった。
夕飯には早速買ってきた野菜たちを頂いた。
メインはストウブで塩豚と一緒にYavaS農園の菜の花を蒸し焼きにした。この菜の花に限らずこちらの農園では無肥料で野菜を育てているらしいのだが、それでこんなに味の濃い野菜が出来るのだからすごいことだ。味は塩だけなのだが、肉と野菜の旨みが濃縮されてパンチのある味わいだった。
もう1品、菊芋とカリフラワーのホットサラダを作った。鉄フライパンにオリーブオイルと薄切りのニンニク、庭にはえてるローズマリーを入れ、弱火にかける。香りがたってきたら、サイコロ状に切ったYavaS農園の菊芋を入れてじっくり蒸し焼きする。途中ニンニクが黄金色になったら先に皿に引き揚げる。ローズマリーも焦げないうちに引き揚げる。ある程度芋が柔らかくなってきたら、いさむファームのカリフラワーを投入する。崩れないようにフライパンのスペースを分けて入れる。慌ただしく炒めずに、じっくり焼き目をつけて途中で菜箸で面をかえながらに焼き付けた。皿に盛り付けたら最後に塩胡椒をふって、レモンを絞る。私はカリフラワーの甘味がたまらず、夫は生姜にも似たルックスの菊芋がお気に入りだった。
野菜が美味しいのでシンプルな味付けが一番だ。
合わせたワインはロワールのクレマンだ。シャンパーニュではないが、レモンピールや白い花の香りがあり、繊細な泡が特徴のなかなかエレガントなスパークリングだった。昨日の食事の中では特に菜の花との相性が良かった。
農家さんや野菜に感謝しながら、豊かな食事となった。
ソムリエ試験テイスティング超詰め込み勉強法
「私の勉強法」
これまでにたくさんの試験を受けてきたが、私は合否のある試験は一発合格を貫いている。面倒くさがりなので来年もまた受けるからとコツコツ勉強を続けられないのだ。
中でも超短期間で効率的だったのはソムリエ試験のテイスティング対策の勉強法だ。
私がソムリエ試験を受けて資格を取ったのは2014年だから、もちろん現行の試験とは変更点がある。受験にあたっては情報収集をし、最新の対策を抜け目なく行うのは前提として、短期間で試験レベルのテイスティング力を付けるために何をしたかを公開する。
一般的にワインスクールでは資格取得コースは3月に開講される。1次試験が8月ごろ、2次試験が10月ごろあるが、私は6月にスクールに入って0から試験勉強して、無事その年に合格した。申し込みをした6月の時点では短期集中型の特別講座しかなく、最初のテイスティングの授業ではいきなりワインが10種ほど配られ、では20分でテイスティングシートにそれぞれ記入をし、品種も答えよときたので面食らった。その時点で私が自信をもって分かったワインはゲヴェルツトラミネールのみだった。ライチと薔薇の香りがする非常に特徴的なワインで、アルザス産のものが有名だ。他のアイテムはリースリングなのかソーヴィニヨンブランなのかも怪しいし、赤ワインに至っては、ほとんど聞いたこともないような品種もあり、お手上げだった。さて、初回の授業ではぼろぼろになったが、その後の講師の解説を一言も聞き逃さないように必死にメモを取り頭を働かせた。とりあえず「輝きのある」というワードは健全なワインであればほぼすべてに当てはまるのでマークする、といった試験レベルの対策を自分の中に落とし込んでいった。大勢が受けるソムリエ試験に状態の不安定な古酒やデリケートな酒質の自然派ワインが出るとは考えにくいからだ。色調についてはこの程度なら「紫がかった」「ガーネット」であるなど、実物を見て記憶していくのが効率が良い。
テイスティングコメントは上記のように戦略的に当てはめていけばそう難しいものではない。だが結局は品種を特定し(できれば国も)、そこから当てはめていくのが近道である。ではどのようにして品種を特定するのか。それは自分の中で特徴的な香り(アロマやブーケ)を記憶して、試験会場でもそれを頼りにするほかない。
たとえば私はサンジョベーゼの場合はドライトマトのアロマを頼りにする。イタリア旅行のお土産に買ってきたドライトマトのパックを開けた時の強烈な香りを思い起こさせるのだ。これは個々人によって嗅覚は違うので、同じサンジョベーゼのワインを試してもある人はイチジクの香りを強く感じたり、またある人はタールのような香りが特徴と感じることもある。一つのワインには多くの香りの要素があるが、要は自分の得意な香りを目印にして覚えておくのだ。
前述したゲヴェルツトラミネール=ライチなどのように万人に分かりやすい品種もある。ニュージーランドのソーヴィニヨンブランはボルドーのソーヴィニヨンブランのようなハーブの香りというよりも、パッションフルーツの香りが際立っているのでわかりやすい。こういったアイテムは誰にとってもわかりやすいのでしっかり押さえておきたい。
では反対にあいまいな品種はどのように対策したのか。私の場合はミュスカデ、甲州などのように控えめなアロマの白ブドウが苦手だった。
ミュスカデはメロンや吟醸香、甲州は和かんきつが特徴であるが、どうもわかりにくかった。そこで両者のワインを同量テイスティンググラスに入れて朝食前、昼食前、夕食前と交互にテイスティングしてみた。そうするとさすがに3度も繰り返すうちに違いが分かってくるのである。更に、協力者がいる場合は目隠しをして、ブラインドテイスティングすると良い。このころにはもう間違えることはないはずだ。
試験会場では時間のプレッシャーなどもあり、気の置けない仲間とリラックスしてワインを楽しむ環境とは全く異なる。だから外観から冷静に品種を絞り込み、香りを分析して着実に正解を導き出したい。
ちなみに私はその年のワイン3問、その他のお酒2問のうち、ワインは品種全問正解、国は2問正解、その他のお酒は2問中1問正解した。初心者が短期間で詰め込んだ割にはまずまずだったと思っている。
もっとも、小手先のテクニックを覚えても深遠なワインの何たるかを理解したことにはならない。本当のワインの勉強は試験に受かってからが本番といえる。
白湯とシルク、ウール靴下で冷え取り生活
私は暑がりやの寒がりやだ。結婚してからは家で過ごすことが多くなり、服装は見た目よりも着心地や機能性重視になってきた。10代のころ、母が自宅で熱心に冷え取りを行っているのを見て、5本指の靴下を履くなんてかっこ悪い、それにたくさん重ね履きして洗濯も大変そうだと馬鹿にしていたが、今30代になった自分は母に負けないほど冷え取りをしている。
一番効果があったのは実は白湯を飲むことで、明らかに生理痛が軽くなり、生理前のイライラや精神不安定もおさまった。白湯の健康法を知ったのは、アーユルヴェーダの書籍を読んでからだ。
白湯はやかんで10分から15分沸かして作る。一度にたくさん作って、残りは魔法瓶に入れておいて日中飲むようにする。
私の一日はベッドから出て、歯磨きをして用を足したら、キッチンのある2階に移動してやかんに水を汲み、白湯を作ることから始まる。沸騰したら蓋を取ってキッチンタイマーを10分にセットし、その間に猫トイレの掃除や猫のえさやりをする。
白湯ができたら夫の分と自分の分をコップにうつし、すすりながら朝食の支度や弁当作りに取り掛かる。胃がじんわりと温まり、体に血が巡ってくるのがわかる。
ちなみにそれまではコーヒーや紅茶を毎朝欠かさなかったのだが、白湯に変えてからは定期的にコーヒー豆を注文しに行く手間も省けたし、歯の着色汚れにも悩まされなくなったのでいいことづくめだ。
靴下に限らず衣服での冷え取りだが、とにかく私は面倒くさがりなので、靴下の重ね履きはかなり前に挫折した。
シルクやウールの靴下を3枚4枚と重ねて履くと、たしかに暖かいし、脱いだ靴下が汗を吸っているので、これは毒だしか?と冷え取りデトックスをしている感じがするのだが、ちょっと外出しようとすると、いつもの靴が入らない、お風呂に入ろうとするとなかなか脱げず脱衣所で寒い思いをする。しかしシルクの靴下1枚では冬場は寒い。そこで私はひらめいたのだ。たしか富士山登山の時に履いたウールの登山用靴下があった!あれは蒸れないし温かいと。
それ以来私はウールの靴下にウールのルームシューズで秋冬は過ごしているが、すこぶる快適だ。登山用だけあってこの靴下はかなり頑丈にできているようだ。わずか2足を交互に履いて、毎日普通に洗濯機で洗濯し、その後ガス乾燥機にまでかけているが履き始めて4年目の今も破れる気配はない。これは面倒くさがりの私にはぴったりである。
分厚いといっても1枚だけなので、普段は外出の際はそのままスニーカーやショートブーツを履いている。
ウールのルームシューズは夫はキッツピヒラー、私はハフリンガーを愛用している。
キッツピヒラーは底が薄いので洗濯をしてもすぐに乾くし、清潔に使えるところがよい。それに対しハフリンガーは底が分厚いので、フローリングからの冷気を感じにくいが、洗うのと乾かすのは大変だ。私の場合はキッツピヒラーは洗濯機のデリケートモードでウール用の洗剤を入れて丸洗いしているが、ハフリンガーは手洗いし、30秒ほど脱水したあとはガス乾燥機の小物棚を使ってデリケートモードで乾燥、その後室内の風通しの良いところで新聞紙を丸めたものを突っ込んで根気よく乾かしている。
さて、日中はスマートウールの靴下ですこぶる快適に過ごしているのだが、夜はもう少しリラックス感が欲しいところだ。
お風呂上りに最適な靴下はこれだ。
この靴下はものすごく柔らかくて暖かいので、くつろぎタイムにぴったりなのだ。半面摩擦には弱そうなので洗濯は気を使うしもちろん乾燥機にもかけられない。早めにお風呂に入った日のご褒美のような位置づけだ。湯冷め防止に一役買ってくれる。
本当は、おばあさんのように室内でじっとしていないで、スポーツや仕事で体を動かすのが一番だとはわかっているのだけど・・・。毎冬自分を甘やかしている。
【猫の多頭飼い】ジモティーで2匹目の保護猫を迎えた
ショウヘイが我が家に落ち着いてからしばらくすると、夫が2匹目の子猫がほしいと言い出した。そして夜な夜なジモティーで里親募集中の子猫を物色し始めた。そんな中この子は!という子にあたると、会いたいとメッセージを送るのだが、そんな子は人気者で既にお見合い予定が入っていて、そのまま引き取りが決まることが2度ほどあった。
3度目の正直で、キジトラのメスの子猫を引き取ることに決まった。
ちなみにショウヘイの時は引き取って貰えないだろうか、と保護した方が我々に頼むような姿勢だったが、ジモティーに限らず募集サイトにアクセスして、こちらからこの猫を譲ってくださいと意思表示する場合、多かれ少なかれ金銭の支払いも生じるし、譲渡主独自の厳しいフィルターにかけられて、断られる事も多いようだ。
私達夫婦も家族構成や今の猫(ショウヘイ)の性格、日中留守にする時間、ショウを飼った経緯などなどをしっかり聞かれ、総仕上げに住まいも見学の上、契約書に押印して、ようやく譲渡にいたった。
フードやおもちゃなど、たくさんの嫁入り道具と共にやってきたメスの子猫は、ショウヘイが初めて来た時と違い、怯えて食事も喉を通らない状態だった。
どういう因縁なのか、子猫がやってきたその日に台風が来た。関東に甚大な被害を出した、台風15号である。夜中に凄まじい暴風雨で、とても眠れずリビングで起きていると、何度か停電した。隣の部屋にいる子猫の様子をそっと覗くと、かわいそうに、嫁入り道具の毛布を頭からすっぽりかぶって震えていた。
翌朝になって台風が過ぎ去ってもしばらく怯えていたが、その後は徐々に家の中を探検し出し、最初の2日程はショウヘイと出会うと威嚇し合っていたが、すぐに意気投合し、そのうちどこへ行くにも付いて回るようになった。
お試し期間中にすっかり2匹は打ち解けたので、晴れてうちの子になった。
名前は蓮華。
キジトラ柄なので、和風の名前で、女の子なので花の名前がいいと希望を出したら、夫が蓮華はどうやと提案してきた。
調べてみると偶然にも彼女の誕生日の4月13日の誕生花だった。ちなみに夫の母も同じ4月13日生まれである。
名前は蓮華に決まった。
蓮華は一見素っ気ないのだが、実は寂しがり屋で、ショウヘイの姿が見えないと焦って探しに行く。最近ではだいぶ人間にも慣れてきて、ソファで一緒にくつろいだり、夜には夫の晩酌のお供もしている。
保護猫を迎えるということは、もしかしたら交通事故にあったり、保健所に連れて行かれたかもしれない命を、1匹だけでも救ったことになるのかもしれない。だがそういう自己満足的な考えでは必ずしも満足いく猫との生活には繋がらない。生まれてから2か月以上、蓮華は母猫と姉妹猫達と一緒に野良猫として育った。だから人間のことはまだまだ信頼出来ず、どこかおっかなびっくり接する。最初から懐いている猫が良ければ、同じ保護猫でも人に飼われていて捨てられた子や、生後すぐに人に保護された子などから考えた方がいいだろう。
また、外にいたということは様々なリスクがある。蓮華も猫風邪のキャリアで、目やに鼻水の症状があった。しばらく病院にかかって、今は症状が落ち着いているが、免疫力が落ちた頃に症状が出やすいので、生涯気をつけてやらねばならない。
猫エイズや白血病は検査をしてからの譲渡となることが多いが、先住猫がいる場合は他にも色々気を付けねばならない。
蓮華が来てからショウヘイも同じように目やに鼻水くしゃみが出始めた。うっかり忘れていたのだが、ショウヘイも猫風邪キャリアだったのだ。成猫になってからは症状も出ていなかったのだが、毛繕いなどでうつったのだろう。
両猫共に猫風邪キャリアだったからまだ良いものの、どちらか1匹だけだともう1匹にうつることがあるので多頭飼いは難しいと感じた。
とはいえ2匹で遊びまわっている姿や、くっついて寝ている姿には本当に癒される。我が家に来てくれて良かったと心から思えるようになった。
保護猫ショウヘイ
2018年8月12日、夫婦2人の我が家に1匹のオスの子猫がやって来た。
獣医さんによると、推定2ヶ月半から3ヶ月。
その年の台風13号の前夜に、1匹で横浜市のマンションのベランダで泣いていたところを保護されたらしい。幸運にも住民のご夫妻は猫好きで、既に猫2匹を飼っていたが、それもあって部屋には入れてやれず、ベランダにキャリーバッグを置いて、餌を与えたところモリモリ食べたようだ。
ご夫妻は、台風が接近する中、翌朝動物病院へ連れて行き1週間分のペットホテル代を支払い、保護主が現れるのを待った。本当に幸運な子猫である。
色々なネットワークがあるのか、全く知り合いではない私の元に、私の母づてに募集メールが来て、まずは会ってみようとなった。
今思えばその時には引き取る心積りであったように思う。
もちろん保護されたご夫妻は警察や保健所に届けも出したけれど、首輪もマイクロチップもないその子猫は、1週間の病院での預かり期限が切れれば元の場所に戻される運命らしい。
推定2ヶ月半から3ヶ月にしては大きめのその子猫は、片目を風邪なのか傷なのかでぐずつかせて時折くしゃみをしていたが、人懐っこくてケージから出されると嬉しそうに伸び伸びした。
台風13号の前日に来たので、獣医さん達からは13号と呼ばれていた。
私達は面会の日は一度保留にしたのだが、翌日にはキャリーケースを持って車で迎えに行った。
そうして、我が家の子になったのである。
夫が、ショウヘイと名付けたためか、彼は人のように振る舞う。
最初の日から我が家を興味津々に探検して、夜は私達のベッドで夫婦の真ん中に入って身体を伸ばして眠った。
翌朝トイレのスコップをくわえて寝ている私の枕元にプレゼントしに来て、私は絶叫して起きた。
ショウヘイが来て、近くに住む両親も喜び、じぃじばぁばとしてかわいがるようになった。実家には15歳のメス猫のチビがいたが、まるでショウヘイを遣わせたかのように、翌月の9月に息を引き取った。
ショウヘイの片目のぐずつきは、猫風邪をこじらせて瞬膜が癒着してしまったらしい。その年の11月の去勢手術の折に、瞬膜を切除する手術も同時に行ってもらった。以降彼は視界がスッキリしたのかますます活発になり、手を焼くヤンチャ猫になった。
現在彼は体重6キロのかなり大きな猫に成長した。リードをつけてリュック型のキャリーに入り近所をサイクリングするのが好きであるが、道ゆく人からは大きな猫だと驚かれる。
長浜の鳥新で鴨鍋を食す
寿司の名店、天ぷらの名店、鰻の名店。。。
和食の名店も色々有れど、鴨料理といえば滋賀県長浜の鳥新だ。
そもそも関東では日常生活で鴨を食べる習慣がない。
一方関西では鳥肉屋に鴨も売られていたりする。
京都で生まれ育ったこともあり、私は鴨が大好物だ。
時々鴨肉を取り寄せたり買いに行っては鴨鍋や鴨ロースを頂いている。
夫の実家への帰省にあわせて、義母が鳥新を予約してくれていた。
そういうわけで昨日の昼食に鴨鍋のコースを頂いてきた。
鳥新は1834年の老舗料亭で、鴨の提供は冬場のみ。夏は鰻、どじょうを提供する。
仲居さんのお話によると、中でも1月、2月の鴨が美味しいようだ。
偶然にもいい時期に訪れたことになる。
趣のある店構えだが、立地は意外にも駅からすぐの町の中心地だ。
我々は二階の手前の個室へ通された。
4畳半ほどありそうな床の間付きのゆったりした個室だが、隣の部屋とはふすまで仕切られているだけなので、宴会をしているらしい団体客と仲居さんの賑やかなやりとりが丸聞こえである。
だがそんなゆるい雰囲気も、地方ならではといった感じで、我々3名は時折にんまりと顔を見合わせていた。
さて、肝心の料理だが、最初に鮒のお刺身が出てくる。
鮒を刺身で食べるのは衝撃だったが、まったく臭みがなく、歯触りが少しこりこりとしていて不思議な美味しさであった。更にこの鮒の刺身の上に、卵が散らされているのである。これを「鮒の子まぶし」というらしい。
これをわさび醤油でつついているうちに、仲居さんがひょうたんに入った出汁を錫でできた特注の美しい鍋に投入し、野菜や鴨を手際よくくべていく。
驚いたことに鴨はロースとつみれだけではなく、肝や軟骨など様々な部位を頂ける。
部位ごとに触感や味が違うので、飽きることは全くなく、感嘆し通しである。
そして、主役の鴨だけではなく野菜や湯葉、豆腐などの具材もひとつひとつが飛びぬけて美味しいのだ。
特に印象に残っているのはネギである。甘味が強く、ねっとりとしていて、鴨の出汁を吸ってえもいわれぬ味わいである。
焼き豆腐は香ばしく、火の香りがする。野菜の隠し包丁なども計算されつくされていて、全ての具材が引き立っている。
締めには丸いきれいなお餅が人数分供される。これをとろとろになるまで煮たてて、御つゆの最後の一滴まですするころには幸福感でいっぱいである。
コースの最後にはデザートが付く。いちじくのゼリーだった。
みずみずしいいちじくとすっきりとした自然な甘みのゼリーで、満腹でも美味しく頂ける。
鳥新の鴨は昔は琵琶湖からとっていたのだろうが、今は琵琶湖は禁猟なのでよその天然の鴨を仕入れているそうだが、品質に満足できないものは返品するこだわりようだ。
なお、鴨は鉄砲で仕留めるのではなく、網を使って捕るそうだ。
老舗で郷土料理を食べるのは、一つの文化を味わうことでもあり、忘れがたい味わいとなった。
いつかまた訪れる機会があることを願う。
THE TOAST の意味と理由
はじめまして。
湘南で育ち湘南に住む主婦が暮らしについて綴るブログです。
猫、ワイン、食がメインです。
私について
大学卒業後は、航空会社で客室乗務員として、国内外さまざまな場所へフライトしました。
年々時差ぼけや深夜便の疲れが抜けなくなり、結婚を機に退職。
その後CA時代に取得したソムリエ資格を活かしてワイン業界に転職するも、煩わしい人間関係と慣れない通勤ラッシュに疲弊して、わずか1年で退職。
以後専業主婦として実家の近くで愛猫2匹とひねもすのんびり暮らしています。
でも、そんな私でも会社員時代に「誰かの役に立ち、感謝され、報酬を得る喜び」を教わったのです。
このブログの目的は、これまで私自身の培ってきた経験や、日々の暮らしの中から、誰かにとって役に立つ情報、心が豊かになる情報を発信、共有することにあります。
THE TOAST とは
このブログのタイトルに使われているトーストとは、パンではなく、乾杯の方の意味ですが、THEが付くと乾杯される人=祝福を受ける人、人気者、の意味になります。
いつの日かこのブログが誰かにとってそんな存在になれたらいいなとの願いを込めて付けました。